片雲日記

いろいろ

今から怒られにいく

今から怒られにいく。現在導入を進めている製品の理解について客先とこちらで決定的な認識の齟齬があり、しかも論点になっている内容に関するエビデンスが少ないため、言った言わないの水掛け論に発展し、激怒した担当者に呼び出されているのだ。私と同席するやり手の技術者はこうした修羅場を向かえ死んだ目を輝かせて、妙に生き生きしており、お客さんぶんなぐっていいっすかと息巻いている。これからの波乱を予期させる高度な比喩ですねと笑い飛ばしたいが私の顔は引きつっている。晴れだと予報された1月18日の空は今にも雨が降り出しそうに濁りだし、私は今後の展開を考えて悲痛な気持ちになる。

 

大学生の頃ファミレスで働いていた頃もお客さんに怒られた。調理方法や提供方法、駐車場でのドライバー同士のトラブルまで巻き込まれ、ひとしきり謝り、何とかおだてて場を落ち着かせたものだった。大事なことは傾聴で、僕が悪かろうが悪くなかろうがとにかく言い訳をせずしっかり話を聞いていればやがて鎮火するのだ。そういう経験を繰り返すうちに、怒られていてもまじめに聞いているようで、心の中は穏やかな凪のままでいられるようになった。慣れたもんだとバイト仲間にほめられて、これから社会人になってめちゃめちゃ怒られることがあっても、うまくやっていけそうですなんて返していたのを思い出す。

 

しかし職種によるが、BtoBの会社で客から面と向かってばっちり怒られることは早々ないのである。バイトの頃のあの貴重なスキルは失せてしまった。代わりに妙な自尊心とプライドが住みつき、怒られたくないから家に帰ろうぜと絶叫している。

 

それはそうだ怒られるのが好きなやつなんていないだろう。(そういう性癖のやつはいるが。)どういう顔をするのが正解なのか、パンチを受けた後にどのように立て直せばいいかすっかり忘れてしまった。こんな文章を書いているから余裕だろうと思った人もいるかもしれないが、不安だから余計文章が進む。怒りの中で千年パズルを手にした武藤遊戯みたいだ。

 

こちらの落ち度はない。そのはずだ。勘違いをした客の言い分があまりにも。と言う感じである。戦略としては①ひとしきり聞く②落ち着いたところでこちらの主張をする③落としどころを探るもしくは決裂、殴り合い、である。ああ不安だ笑、だんだん笑えて来たがちっとも楽しくはない、人は不思議である。